【商品概要】
山口 未花子(著/文)石倉 敏明(著/文)盛口 満(著/文)
発行:岩波書店
A5判 縦210mm 横148mm 厚さ20mm 重さ 432g 286ページ
定価 3,400円+税
【内容紹介】
人はなぜ動物をえがくのか。動物にひかれる人間とは何者か――。古今東西の絵や詩、演劇や音楽、舞踏等の表現を素材に、人類学をはじめとする多分野から集った研究者15名が考察し、11名の多彩なアーティストが語る。人と動物の間に生まれたイメージの軌跡を辿り直し、両者の関係の新たな可能性を探る画期的論集。カラー図版多数。
【目次】
はじめに 山口未花子
Ⅰ 動物を観察してえがく
1 イメージの中の動物たち――大学生の絵から考える……………盛口 満
コラム1 自然史標本の役割と動物たちをめぐる文化……………西澤真樹子
コラム2 学者と協働で挑む古生物の復元図……………小田 隆
2 暮らしの中の毛皮――西シベリア・ハンティの女性の生き方……………大石侑香
コラム3 モンスターデザイン……………長谷川朋広
Ⅱ 動物を想ってえがく
3 取り残された動物になる――核災害後の表現実践から……………丹羽朋子
コラム4 動物を踊る・動物で躍る――バリ舞踊の表現をめぐって……………吉田ゆか子
4 狩られる動物を想う――子どもの絵からグイ・ブッシュマンの語りまで……………菅原和孝
コラム5 えがかれた動物としての私たち――今貂子の舞踏……………ケイトリン・コーカー
5 動物詩序説――生命に直面する詩の問い……………管啓次郎
Ⅲ 動物イメージの変容をえがく
6 「共異体」としてのキメラ――人間と動物のあいだに……………石倉敏明
コラム6 間にて真を眼ざせば――真似び、学び、愛む、ミメーシスとしての制作行為……………大小島真木
7 「驚異の部屋」の怪物たち――不思議な生きものが生まれる現場……………山中由里子
8 ヒトはなぜ動物を描くのか――人類進化とアートの起源……………齋藤亜矢
コラム7 ドリーム ハンティング グラウンド……………鴻池朋子
9 「彫られた」動物とともに生きる――ライオンの彫刻が守り、癒し、導く存在になるとき……………長坂有希
コラム8 土で動物をつくること、焼くこと……………根本裕子
Ⅳ 動物とつながるためにえがく
10 動物にうたう歌――カナダ・ユーコン先住民と動物が織りなす音の共同体……………山口未花子
コラム9 描くことの根源に動物がいた……………土取利行
11 動きを描くことの意味――動物表象とアニマシー……………竹川大介
コラム10 動物を漫画に描く……………五十嵐大介
12 動物、人、風景をつなぐ歌――ギンゴーが響く草原……………サリントヤ
コラム11 「空気を読む」馬……………瀧本彩加
おわりに――共に動物である私たち……………石倉敏明
執筆者一覧
【著者プロフィール】
山口 未花子 (ヤマグチ ミカコ) (著/文)
1976年,京都府生まれ.奈良教育大学教育学部総合文化科学課程環境科学コース卒業,北海道大学大学院文学研究科博士課程修了.東北大学東北アジア研究センター,北九州市立大学,岐阜大学を経て,現在,北海道大学大学院文学研究院・文化多様性論講座文化人類学研究室教授.専門は人類学,動物論.著書に『ヘラジカの贈り物』(春風社),共著書に『生きる智慧はフィールドで学んだ』(ナカニシヤ出版).
石倉 敏明 (イシクラ トシアキ) (著/文)
1974年,東京都生まれ.中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程単位取得後退学.多摩美術大学芸術人類学研究所,明治大学野生の科学研究所などを経て,現在,秋田公立美術大学美術学部アーツ&ルーツ専攻准教授.専門は芸術人類学,神話学.共著書に『野生めぐり』(淡交社),共同制作による作品展示・展覧会企画に《Cosmo-Eggs|宇宙の卵》(第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展,ジャルディーニ会場・日本館)ほか.
盛口 満 (モリグチ ミツル) (著/文)
1962年,千葉県生まれ.千葉大学理学部生物学科卒業.自由の森学園中学校・高等学校理科教員,NPO法人珊瑚舎スコーレ講師,沖縄大学学長を経て,現在,沖縄大学人文学部こども文化学科教授.専門は生物学・理科教育.著書に『マイマイは美味いのか』『ものが語る教室』『ゲッチョ先生と行く 沖縄自然探検』『めんそーれ!化学』(いずれも岩波書店),『僕らが死体を拾うわけ』(ちくま文庫),『自然を楽しむ』(東京大学出版会)ほか多数.
【元ツイート】
https://x.com/CatsMeowBooks/status/1878590300521979959