【商品概要】
大塚 敦子(著/文)
発行:岩波書店
新書判 縦173mm 横107mm 厚さ12mm 重さ 190g 286ページ
定価 1,060円+税
【内容紹介】
犬への読み聞かせは子どもを読書へ誘い、生きづらさを抱える子どもは傷ついた動物をケアする中で学ぶ。保護犬を育て直して若者は生き直し、補助犬は障害のある人の人生を切り拓く。高齢者は犬や猫と共に充実した最期の日々を過ごす。人間にとっての動物の存在を国内外で30年近く取材した著者が、未来に向けて綴る。
【目次】
はじめに
序 章 動物との暮らしがもたらすもの
人と動物が暮らすこと
「動物介在介入」とは
「ワンヘルス」と「ワンウェルフェア」
第1章 子どもの教育と動物
1 他者への心の回路を開く
JAHAのふれあい授業
犬の立場になって考えてみる
不登校の児童がきっかけとなった学校犬の導入
学校生活の一部
教育の効果は、すぐには測れない
学校犬を導入する条件
欧米のスクールドッグ
学校での動物飼育
自然の中でおこなう療育
犬と猫が活躍する動物介在活動
乗馬セラピー
動物は未知のものへの興味をかき立てる
自然に親しむ子どもの減少
子どもたちと自然界をつなぐ
2 子どもの学びを支援する
読書教育のニーズが高いアメリカ
犬が相手なら安心して読める
子どものセルフ・エスティーム
子どもの読書にもたらす効果
日本初のR.E.A.D.プログラム
三鷹市立図書館の「わん!だふる読書体験」
共感力を育む、ふれあい教室
犬のために本を選ぶ
広がる犬への読み聞かせ
シェルターにいる動物に子どもが本を読む
保護猫の社会化のために
第2章 困難を抱える子どもを支える
1 自然の中での癒しと学び
先駆者、グリーン・チムニーズ
動物や自然の力を借りて
慈しむ心を見出す
自然を介したメタファー
すべての生き物と環境を大切に
動物福祉と児童福祉に貢献する「わすれな草農場」
虐待からの回復をめざして
やさしくすることを学ぶ
ボランティアの大きな役割
動物を介した職業訓練
2 司法の場で子どもを支える
裁判所に犬が来る
広がるコートハウス・ファシリティドッグ
子どもに寄り添う付添犬
虐待を話す苦痛を減らすために
3 生きづらさを抱える若者の自立支援
人と動物双方の福祉をめざすキドックス
犬のためなら、がんばれる
孤立を防ぐ予防的な取り組みを
第3章 人の生き直しを助ける
1 動物を介在した刑務所での社会貢献活動
盲導犬パピー育成プログラム
価値観の変化につながる交流
子犬を育てるということ
盲導犬ユーザーの言葉
アメリカのプリズン・ドッグ・プログラム
なぜ保護犬を救うことにこだわるのか
行き場のない猫たちを終生飼養
動物たちは心理的な安全をくれる
受刑者の力を借りて、猫の殺処分を減らす
個々の物語の力
受刑者による自然保護活動
人は自然に接すると向社会的になる
日本での新たな試み
2 少年院の動物介在活動
少年たちが保護犬を訓練するGMaCプログラム
犬の訓練で学ぶライフレッスン
少年たちの成長
地域の課題解決と3Re‐Smileプロジェクト
ともに寝起きして保護犬と絆を育む
自分も誰かの役に立てる
地域社会とのかかわり
3 馬の力を借りた試み
心身に障害のある人を癒すホースセラピー
馬という動物の特性
馬を介在した心理療法
薬物依存からの回復をめざして
馬に受け入れられるということ
馬をとおして自分を知るイアガラ・モデル
島根あさひ社会復帰促進センターのホースプログラム
馬が馬らしくいることがセラピーに
第4章 人のために働いてくれる犬たち
1 障害のある人に寄り添う
盲導犬がくれる安心
スカイとなら歩ける
三頭の盲導犬と歩む人生
保護犬が聴導犬に
聞こえない人の目印にもなる聴導犬
もっと多様性のある社会を
自分で考える犬たち
介助犬とともに自立をめざす
本来の自分を取り戻す
介助犬がいれば、きっとなんとかなる
2 補助犬の可能性
もっと補助犬の受け入れが進むためには
適性に合わせてキャリアチェンジ
新たな存在を受け入れ、心の回路が開いた
家族や地域にも変化をもたらす
アメリカのサービスドッグたち
第5章 医療や福祉の場で
1 病気の子どもや大人を支える犬たち
犬が来る病院
子どもが子どもらしくいられる時間
最後まで楽しむことをあきらめない
医療チームの一員、ファシリティドッグ
不安なときこそ、アイビー
ハンドラーとの絆
勤務犬が活躍する病院も
ホスピス病棟への訪問活動
2 高齢者施設の動物たち
犬がいる特別養護老人ホーム「さくら苑」
犬と接して表情が豊かに
介護職員のメンタルヘルスにも
犬は地域との架け橋
生きがいを創り出す
施設で人も動物も幸せに暮らすために
最期まで自分のペットと暮らす願いをかなえる「さくらの里山科」
動物の存在がもたらすもの
看取り犬、文福
動物とのあたたかな日々
おわりに 私と動物
主な参考・引用文献
【元ツイート】
https://twitter.com/CatsMeowBooks/status/1651766450493992961