【内容紹介】
ある一匹の黒猫との出会いと、予期せず訪れた突然の別れ。40点の精緻なタッチのアクリル画とともに綴ったファンタジックな実話。
その黒猫は、“お月さまの使者”として、私の心を癒やし、命の大切さや、たくさんの新しい発見、そして幸運をもたらしてくれた——。
【「あとがき」より】
それまでは、ねこに触れることがあまり得意ではなかった私が、心身ともに壊れそうになっていたときに、この物語の黒ねこと出会いーーあとは絵本のとおりです。
その黒ねこは私の心を癒やし、命の大切さや、たくさんの新しい発見をもたらし、私を大きく変えてくれました。
ねこの放つ、癒やしのオーラは本当に素晴らしい! そして、ひとつ大切なことも知りました。それは、のらねこたちが過酷な環境の中で生きていること。また、そののらねこたちを救うために、無償で活動している人たちがいることです。
私が黒ねこと出会ったときは全くの無知だったため、ただ「かわいそう」という思いだけでエサをやり、ペット禁止のアパートにもかかわらず、飼ってくださる人が見つからないため家の中に入れてしまい、ルール違反をしてしまいました。
しかし、私にとっては、この黒ねこと過ごした期間が、短いながらも、とても貴重な時間になったのです。
こんなこともありました。黒ねこと一緒にお散歩をしていると、まるで魔法使いのような出で立ちの見知らぬおばあさんが、杖をつきながら近づいて来て、「この子はいい子だ。大切にするんだよ。きっと良いことがあるから」と言って、立ち去りました。そのひとときは、まるで童話の世界に入り込んだかのようでした。その後、不思議なことに、私にとってうれしいことが本当に次々と起こったのです。その黒ねこはまさに、“お月さまの使者"として、私に幸運をもたらしてくれました。
やがて訪れた黒ねことの別れはとても辛く、はじめてペットロスという体験をしましだその悲しみを乗り越えるために始めたのが、この『Mon Chéri』の制作でした。ペットロスだけでなく、大切な人との別れに心を痛めている人、辛い思いや悲しい思いをしている人が、この絵本を開いて、そのときだけでも心安らかになってほしいと祈りながら筆を動かしました。
みなさんがそれぞれ抱えている困難の中から立ち上がり、希望を見つけられることを信じて!
なぜならーこのねこは、お月さまが贈ってくれたしあわせの使者なのですから。
【著者プロフィール】
山崎泰子(絵/文)
画家。島根県安来市出身。
高校卒業後に専門学校で水彩画やデッサンを学び、1995年に現代童画展入選をきっかけに本格的に制作活動を始める。
現代童画展に出品した作品が、ある美術専門家の目に留まり指導を受けることに。また彼の強い薦めにより、彼の親友で当時のフランス画壇のトップの画家・ポール・アンビーユ画伯に師事。画伯のもとで毎年およそひと月ほどフランスに滞在し、5年間指導を受ける。
以後、国内外の数々の展覧会に出品、個展を多数開催するなど、現在に至る。
【著者ホームページ】
http://yasukoy.jp/
【元ツイート】
https://twitter.com/catsmeowbooks/status/1523118223092158465